くれなゐの宮

「お、お待ちください…!ここから勝手に出ては…!」


慌てて止めに入るが、


「誰がそのような事を言った?私が神だ、私の言う事は絶対だ。」


と言って全く聞く耳を持たない。

結局おれは引きずられるようにして、長い階段を下り、渡り廊下を歩き…そうこうしている内に気が付いた宮女たちが小さな悲鳴を上げて数人着いてきたはいいが…。

なんと、自由奔放な…。


半ば呆れかえっていた時だった。


彼女が突然足を止めた。

そして左側を指さす。
示された方向に目を向けると、思わず声が零れた。


「………すごい。」


まるで絨毯のようだ。

広大な敷地の限界まで広がっているのは、見たことも無い白く小さな花たち。


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