くれなゐの宮

不運な人生だったと思う。


だがもう、この運命から逃れることはできない。


おれは捕まった。

そしてその時がきた。

もしそれが狂っていようが、間違っていようが…この国ではそれが善であり、崇高な儀式なのだ。



前者が死んだ今日、おれはこの国の狂った信仰に捧げられる。






この国の神、シキガミの生贄として――。


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