くれなゐの宮
「…コウさん、」
神を知れば知るほど、神を疑う。
遠ざかれば遠ざかるほど、神を信じ疑わない。
繰り返される“無知”の連鎖は遠い昔から続き、習わしと言う鎖で死を楽園へと変えた。
知は死。
知る者、知った者は…楽園と言う死へと導かれる。
例えそこが楽園ではないとしても。
コウは告げた。
「これは…私たちヒメ様の側で仕える宮女一同の意思です。
私たちはヒメ様に祭を見せてあげたい。
その為ならどのような罰をも甘んじて受け入れましょう。
だからどうか、
貴方の力を貸してほしいのです。」