【短】忘れてしまった記憶
加藤雅人という男
私が記憶喪失だと知ってから、加藤という男は毎日病室に来るようになった
『よっ!』
彼は元気に来るけど、私はまだ彼のことを何も知らない
『えーと...一応自己紹介しといた方が良いのか?』
「うん、お願いします」
そして彼は自分のことを話し始めた
『俺の名前は加藤雅人
咲...、河部と一緒のクラスの男子だ
サッカー部所属
好きな食べ物は肉
そして...河部の彼氏』
彼は最後切なげに言った
私はこんなにこの人に愛されていた
でも、今の私にはそれが分からなかった