~ユメノザンガイ~
『掌』


貴方がその大きな掌で
あたしの頭をなでる時

それは
あたしの魔法が
解けてしまう時



どんなに
意地を張ってみても

我慢してるときも

嘘をついたり

駆け引きをしてみても

ぜんぶお見通しだっていうかのよーに微笑むから



すっごく悔しいんだケド

涙を流せるのは
貴方の掌の温もりに触れられたとき限定で



いつまでも子供だとか
泣き虫だなんて
思われたくなくって

その掌をかわしたり、
逃げてみたり、



そんな行動自体も
子供だって笑われる原因


悪循環で、
泣き虫は治らないみたい



「涙を見せられるのは貴方だけ」なんて

そんな言葉絶対言ってあげない



「好き」って言葉さえ
まだ素直に言えない私



でも、
ちゃんと好きだから
伝える特訓してるから



だから、
ずっと好きでいてよ

その掌の温度を変えないでいて



この先もずーっと
貴方にはかなわないかと思うと…

やっぱり悔しい…


これでも、

一秒でも早く大人になりたいあたしなんです……




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