誘惑~初めての男は彼氏の父~
***
「地下鉄の駅から、歩いたら結構かかるね。・・・この前遠慮しなくてもよかったのに」
前回は佑典も一緒だったこともあり、住んでいる場所を知られたくないという思いもあったため、最寄の地下鉄駅脇の駐輪場で車を降りて歩いた。
でも今回は、きちんと寮の前まで送ってもらった。
もう隠しても意味がない関係になってしまったからである。
「長い時間、ありがとうございました」
結局昨日の夕方五時に待ち合わせをしてから、まる一日中・・・ずっと一緒にいたことになる。
「お礼をするのは、こっちのほうだよ。また理恵とあの頃のように過ごせるようになるなんて、夢にも思っていなかった」
運転席の和仁さんは、穏やかなまなざしで私を見つめる。
「また会おうね」
約束は返せなかった。
こんなこと続けていたら・・・いずれ佑典にバレる可能性が高い。
それ以前にこれは、許されないことだ。
彼氏に対する、この上ない裏切り。
「地下鉄の駅から、歩いたら結構かかるね。・・・この前遠慮しなくてもよかったのに」
前回は佑典も一緒だったこともあり、住んでいる場所を知られたくないという思いもあったため、最寄の地下鉄駅脇の駐輪場で車を降りて歩いた。
でも今回は、きちんと寮の前まで送ってもらった。
もう隠しても意味がない関係になってしまったからである。
「長い時間、ありがとうございました」
結局昨日の夕方五時に待ち合わせをしてから、まる一日中・・・ずっと一緒にいたことになる。
「お礼をするのは、こっちのほうだよ。また理恵とあの頃のように過ごせるようになるなんて、夢にも思っていなかった」
運転席の和仁さんは、穏やかなまなざしで私を見つめる。
「また会おうね」
約束は返せなかった。
こんなこと続けていたら・・・いずれ佑典にバレる可能性が高い。
それ以前にこれは、許されないことだ。
彼氏に対する、この上ない裏切り。