誘惑～初めての男は彼氏の父～
　｢信じられないね。援助交際なんて。しかも自分の父親くらいの年齢のおっさんと｣


　｢気持ち悪い｣


　｢･･･｣


　友人たちは呆れて悪口を言い合っていたけれど、私は何も答えられなかった。


　(私のって･･･援助交際じゃなかったよね)


　自分で自分を正当化しようと試みた。


　高校生の頃、初めて和仁さんと関係を持ったのは、お金目当てじゃなかったけれど･･･そういう打算がなかったとは言い切れない。


　実際会ってる時の食事代やホテル代は･･･全て向こうが支払ってくれたし。


　時折交通費だとか参考書代に、とかいう名目で、数千円単位とはいえお金をもらったこともあった。


　(あれらも他人から見たら、援助交際･･･？)


　少し心配になってきた。


　そして今、初体験の相手が彼氏の父親だと知ってもなお、関係を絶てずにいる。


　友人たちに、それが知れたら･･･。


　ニュースの援公の女の子みたいに、軽蔑されるだろう。


　(佑典に知られたら･･･！)


　最悪の瞬間が訪れないとは限らない。


　このまま、今の状態を続けるならば。
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