誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「でもお肉、」


 「肉なんてあとでいいよ。・・・それより理恵が欲しい」


 「・・・」


 バーベキューの準備をしようと一瞬身体を離しかけた私を、佑典は再び引き寄せた。


 「ここじゃちょっと・・・」


 ログハウスの床はフローリング。


 固さに耐えかねて中断を呼びかけた。


 
 「・・・移動する?」


 佑典に手を引かれ、私は身を起こした。


 移動先は・・・寝室。


 到着後まだ、寝室には足を踏み入れてはいなかった。


 荷物はリビング兼ダイニングルームの片隅に置いたまま。


 ドアを開けて中に入ると、二人部屋なのでベッドが二つあった。


 その手前の一つに私は座らされて、その一方で佑典は窓のカーテンを閉めていた。


 寝室の窓は東向き。


 カーテンは遮光性ではないので、閉めても光は漏れてくる。


 時折迷い込むそよ風が、カーテンをふわふわと揺らしている。


 カーテンがめくれ上がっても、窓の外は木々に覆われており、太陽の熱を遮断している。


 気温の割には風通りがよくて、爽やかだった。
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