誘惑~初めての男は彼氏の父~

森林

***


 シャワーを終え、髪を一通り乾かし、それから髪を縛って一人、バーベキューの火おこしを開始した。


 寝室をちらっと覗いたら、佑典はまだ気持ちよさそうにシーツに包まっていたので、そのままにしておいた。


 バーベキュースペースは、ログハウスのバルコニー上。


 雨が降っても、屋根がせり出しているので平気なようだ。


 幸いにもこの日は快晴。


 時刻は午後六時過ぎ。


 日没まであと少し、太陽はゴルフ場奥の山へ向かって沈んでいこうとしている。


 今のうちに火をおこしておかないと、真っ暗になってしまう。


 真っ暗になってしまうと、大自然の中ゆえ虫がたくさん集まってくるので、なるべく早めに食べ始めてしまう必要があった。


 ライターで古新聞に火をつけ、炭を敷き詰めたバーベキュー台の中に投下。


 炭が熱を持ち始めたのを確認し、酸素を送り込むためうちわをパタパタさせる。
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