誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「お待たせー」


 キッチンで野菜のカットを済ませた佑典が、野菜一式をざるに入れて持って来てくれた。


 続いてお肉と缶ビールも。


 まずは焼けるのに時間がかかるかぼちゃやジャガイモを選んで、網の上に並べた。


 それから徐々に肉類を。


 セットメニューに付いてきたおにぎりを食べながら、まず缶ビールで乾杯。


 やがて次々とお肉が焼け始めたので、食べるのに忙しくなった。


 「・・・食べる前は、たったこれだけならすぐに食べ終えちゃうと思ったけど。結構おなかいっぱいになるね」


 ほぼ完食した頃、佑典がしみじみ語った。


 「ビールもかなり飲んでるしね」


 そう答えて空を見上げると、まだ西の空はにうっすらと明るい色が残っているものの、ほぼ濃い青に空は染められてしまった。


 「もうすぐ空は星だらけになるよ」


 そう言われて空を見上げたけれど、まだ明るさが残っているため、一等星しか見えない。


 月が出ていて、満月に近いため、かなり星の輝きを妨げている。


 月がなければまさに満天の星が堪能できただろう。
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