誘惑～初めての男は彼氏の父～

気まぐれ

＊＊＊


　私もいつの間にか眠りに落ちていて、頬に触れた微風によって目覚めた。


　時計を見上げると朝の八時。


　これから再度温泉に入り、朝食バイキングを食べていたら十時チェックアウトまで案外慌しい。


　ログハウスの後片付けもしなければならないし。


　佑典は私の隣で眠っている。


　まず私は起き出して顔を洗い、服を着た。


　そして約一日ぶりに、携帯電話の電源を入れた。


　ゆっくりと液晶が蘇っていく。


　怖い。


　和仁さんからの着信を確認するのが･･･。


　･･･やはりあった。


　着信ではなく、メールが届いていた。


　受信時間を見ると、昨日佑典に電話がかかって来たのよりもかなり先。


　恐る恐る本文を受信してみる。


　･･･文字は何もなかった。


　画像が一枚添付されている。


　カモメが一羽、青空を舞っている画像だった。


　おそらくフェリーで港に降り立った時、ふと携帯電話のカメラで撮影したのだろう。
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