誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「ちょっと・・・」


 突然の事態に驚いてしまい、ペットボトルを落としそうになった。


 「お金は要らないから、代わりに理恵の唇が欲しい」


 幸いにして駐車場には、他の利用者はいなかった。


 それをいいことに私たちは、ますます大胆に・・・。


 キスでますます絡み合うように求め合い、その手がTシャツの上から私の胸に触れた時。


 「ねえ・・・」


 吐息と共に、私は佑典に誘いの言葉を吐いた。


 「佑典、だめ・・・?」


 そうとだけ告げて、視線を車の中にちらっと向けた。


 「え、ここで?」


 私の意図は理解したようだけど、突然の誘いにさすがに戸惑っている。


 「だめ・・・?」


 再度行動を促した。


 「いいよ。理恵がしたいのなら」


 私の手を握り、車の中に座らせようとした時。


 駐車場に貨物トラックが突如として入ってきた。


 長距離運転で疲れて休憩ついでにか、運転手は車から降りてタバコを吸い始めた。


 さすがにここではそのような気分にはなれないので、場所を変えようってことになった。
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