誘惑~初めての男は彼氏の父~
どうしてか分からないのだけど。
この人に触れられているだけで、毒牙に侵された獲物のように身動きが取れなくなる。
唇を重ねると、吸血鬼に血を吸われたかのごとく、力が抜けていく。
身体のバランスを保っていられなくなり、シートに崩れ落ち、力なく横たわるだけ。
「和仁さん・・・」
世界で一人だけ、私の自制心を崩壊させ、こんなにしてしまう人の名を呼んだ。
「他の男の腕の中で、こんなに乱れる理恵を想像したくない」
「私、他の人とじゃ感じません・・・」
それは紛れもない真実。
だけど和仁さんは私のその告白を、この期に及んでもまだ清純派を装うための、些細な偽り程度にしか受け取らなかった様子。
「・・・あいつを誘う時も、そんなふうに寂しそうな目をするのかな」
「私・・・」
「答えは要らないよ」
私が何か口にする前に。
キスで唇は塞がれて、全ての言葉は閉ざされた。
その瞬間、全てが砕け散ったような気がする。
今ここで抱かれ、何もかも忘れて夢中になれるのならば、昨日も今日も明日ですらどうでもいいと思えるくらい。
この人に触れられているだけで、毒牙に侵された獲物のように身動きが取れなくなる。
唇を重ねると、吸血鬼に血を吸われたかのごとく、力が抜けていく。
身体のバランスを保っていられなくなり、シートに崩れ落ち、力なく横たわるだけ。
「和仁さん・・・」
世界で一人だけ、私の自制心を崩壊させ、こんなにしてしまう人の名を呼んだ。
「他の男の腕の中で、こんなに乱れる理恵を想像したくない」
「私、他の人とじゃ感じません・・・」
それは紛れもない真実。
だけど和仁さんは私のその告白を、この期に及んでもまだ清純派を装うための、些細な偽り程度にしか受け取らなかった様子。
「・・・あいつを誘う時も、そんなふうに寂しそうな目をするのかな」
「私・・・」
「答えは要らないよ」
私が何か口にする前に。
キスで唇は塞がれて、全ての言葉は閉ざされた。
その瞬間、全てが砕け散ったような気がする。
今ここで抱かれ、何もかも忘れて夢中になれるのならば、昨日も今日も明日ですらどうでもいいと思えるくらい。