誘惑～初めての男は彼氏の父～

　｢佑典のお父さん、ほんと若いから｣


　お茶を濁す。


　私の父も、生きていればもう五十くらいだったし、同級生の父親もだいたいその世代。


　今の時代、佑典のお父さん・和仁さんはかなり若い部類。


　しかも外見だけからすると、二十歳を超えた息子がいるようには到底思えない。


　二人並んでも、兄弟にしか見えない･･･。


　｢確かに異常だよね。好き勝手に生きてるから、ストレスもなく若さを保っていられるんだと思うけど｣


　｢ねえ、もし仮に｣


　｢ん？｣


　私はどうしても気になって、再度聞いてみた。


　｢お父さんが再婚相手を連れてきても･･･、佑典は本当に受け入れられるの？｣


　息を飲んだ。


　｢･･･高校生くらいまでの俺だったら、絶対に反抗したと思う。でも今は、現実を受け入れざるを得ないだろうね｣


　｢そうなの･･･｣


　｢あ、でも相手によりけりかな。明らかに金目当てとかそういう空気を察知したら絶対阻止。ま、あの人はそこまで馬鹿じゃないと思うけど｣


　｢･･･｣


　｢それと、ギャルとかもご勘弁ね。俺より若い女だったら、ちょっと対応に困るかも｣