誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「和仁さん・・・」


 彼氏からは得られない肉体的快感が、私をさらに夢中にさせる。


 「このまま理恵の中で、殺されてもいいと思えるくらい」


 「勝手に死なないで。私をもっと・・・してほしいの」


 さらに深くまで愛してほしくて。


 伸ばした両腕を、この人の背中に絡めた。


 ・・・。


 一段落した後。


 和仁さんの上に身を寄せて、唇を重ねた。


 「ずいぶん大胆だね」


 「・・・迷惑ですか?」


 「いや。女のほうから迫られるのも、悪くないかもしれない」


 「・・・」


 首筋に触れられ、そのまま捕まえられたのを機に、さらに唇を這わせた。


 ・・・以前の自分からすると、信じられない。


 こんなふうに男の人を、自分から求めるなんて。
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