誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「聞いたよ、その話」


 恐る恐る自分の噂に関して、佑典に伝えた時。


 佑典はあっさりとそう答えた。


 「だけど最初に耳にした時、笑っちゃったよ。理恵が援助交際?」


 「佑典・・・」


 全く意に介せず笑っている佑典を見ても、私は不安を抱えたまま・・・。


 「だって笑えるよね。理恵がいつどうやって援助交際? あり得ないよね」


 「本当に信じてくれているの?」


 「当たり前だろ。普通援助交際って、金目当てだよね。援交を繰り返して金儲けしてるなら、もっとブランドもの買ったりとか、金遣いが荒くなるイメージ」


 「・・・」


 「でも理恵は、いつもと何も変わらないし。何かの間違いとしか思えないよ」


 佑典の信頼は嬉しいけど・・・。


 「私が外車の人と、一緒にいるところを見たって人が」


 「それだって、ただ送ってもらったとかそういう感じなんだろ?」


 「確かに、家庭教師先の親御さんにも」


 「他に心当たりがあるとするなら、うちの父さんなんじゃないの?」


 「!」


 佑典が口にした和仁さんの存在に、私は一応警戒心を高める。


 果たして次の言葉は・・・。
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