誘惑~初めての男は彼氏の父~
「理恵、」
「無理よそんなの・・・」
私はここを離れたくない。
大学もあと一年残っている。
そして。
(和仁さん・・・)
和仁さんから離れて、しかもすぐには触れられない数千キロ離れた異国の地に降り立つなど・・・想像がつかなかった。
「理恵、分かってほしい」
腕を振り解いて背を向けた私の両肩を、佑典はそっと触れた。
「大学を卒業したら独り立ちするのは、何年も前から考えていたことだ。だけど今のままでは、いつまでたっても採用通知が来ない」
佑典は続ける。
「このままあの人の世話になるわけにはいかない。それに進路が決まらないままじゃ、理恵との生活が成り立たない。だから俺は」
「だからって外国だなんて。どうしてそんな重要なこと、勝手に決めるの。・・・お父さんとは相談したの?」
「あの人は関係ない!」
和仁さんに言及した途端、佑典の声色が一変した。
「・・・ごめん。言い方がきつかった。・・・父さんには相談していない。もう未成年じゃないし、自分の進路は自分で決めるよ」
「それは違うと思う」
私は佑典を諭した。
「いくつになっても、家や車など大きな買い物をする時や、進学や就職など重大な決定をする時は、一応親に相談して意見を聞くべきだと思う」
事情はどうあれ、和仁さんに一言の相談もなしに、勝手に外国へ赴任することを決めてしまったのはまずいと感じた。
「無理よそんなの・・・」
私はここを離れたくない。
大学もあと一年残っている。
そして。
(和仁さん・・・)
和仁さんから離れて、しかもすぐには触れられない数千キロ離れた異国の地に降り立つなど・・・想像がつかなかった。
「理恵、分かってほしい」
腕を振り解いて背を向けた私の両肩を、佑典はそっと触れた。
「大学を卒業したら独り立ちするのは、何年も前から考えていたことだ。だけど今のままでは、いつまでたっても採用通知が来ない」
佑典は続ける。
「このままあの人の世話になるわけにはいかない。それに進路が決まらないままじゃ、理恵との生活が成り立たない。だから俺は」
「だからって外国だなんて。どうしてそんな重要なこと、勝手に決めるの。・・・お父さんとは相談したの?」
「あの人は関係ない!」
和仁さんに言及した途端、佑典の声色が一変した。
「・・・ごめん。言い方がきつかった。・・・父さんには相談していない。もう未成年じゃないし、自分の進路は自分で決めるよ」
「それは違うと思う」
私は佑典を諭した。
「いくつになっても、家や車など大きな買い物をする時や、進学や就職など重大な決定をする時は、一応親に相談して意見を聞くべきだと思う」
事情はどうあれ、和仁さんに一言の相談もなしに、勝手に外国へ赴任することを決めてしまったのはまずいと感じた。