誘惑~初めての男は彼氏の父~
***
その夜、寮の自室で洗濯の合間にテレビを見ていたら、佑典から電話がかかってきた。
「さっきはごめん」
まず謝ってきた。
「いきなり大学辞めて結婚して、異国の赴任先までついてきてくれなんていわれたら、混乱するよね」
「うん・・・」
事実佑典からその話を打ち明けられた後、授業にも全く集中できなかった。
授業が終わったらさっさと帰宅して、ぼーっとしながら過ごす。
「さっき、父さんにも話したんだ」
佑典から和仁さんのことが語られるだけで、私の緊張は高まる。
「お父さんは・・・何ておっしゃったの?」
今日はまだ、和仁さんからの連絡はない。
佑典の突然の申し出に、どう対応したのか・・・。
「理恵を連れて行くな、って言われた」
「え・・・」
和仁さんはどんな状況で、そう告げたのだろうか。
不安で息を殺しながら、佑典の次の言葉を待った。
「俺が外国に行くのも、あまりに突然だし治安の問題もあるから心から賛成はできないけれど、職場に強要されて海外不妊を余儀なくされる若者もいるから、百歩譲ってそれは認めざるを得ない。しかし理恵に関しては別だと」
「・・・」
和仁さんはどう言って反対したのだろう。
理恵は自分のものだ、だからお前が外国に連れて行くのは許さない・・・。
あってはならないことだけど、そんな言葉を期待した。
その夜、寮の自室で洗濯の合間にテレビを見ていたら、佑典から電話がかかってきた。
「さっきはごめん」
まず謝ってきた。
「いきなり大学辞めて結婚して、異国の赴任先までついてきてくれなんていわれたら、混乱するよね」
「うん・・・」
事実佑典からその話を打ち明けられた後、授業にも全く集中できなかった。
授業が終わったらさっさと帰宅して、ぼーっとしながら過ごす。
「さっき、父さんにも話したんだ」
佑典から和仁さんのことが語られるだけで、私の緊張は高まる。
「お父さんは・・・何ておっしゃったの?」
今日はまだ、和仁さんからの連絡はない。
佑典の突然の申し出に、どう対応したのか・・・。
「理恵を連れて行くな、って言われた」
「え・・・」
和仁さんはどんな状況で、そう告げたのだろうか。
不安で息を殺しながら、佑典の次の言葉を待った。
「俺が外国に行くのも、あまりに突然だし治安の問題もあるから心から賛成はできないけれど、職場に強要されて海外不妊を余儀なくされる若者もいるから、百歩譲ってそれは認めざるを得ない。しかし理恵に関しては別だと」
「・・・」
和仁さんはどう言って反対したのだろう。
理恵は自分のものだ、だからお前が外国に連れて行くのは許さない・・・。
あってはならないことだけど、そんな言葉を期待した。