誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「疲れた・・・」


 今日は色々ありすぎて、とても疲れた。


 帰宅するとすぐにシャワーを終え、濡れた髪を乾かしている時だった。


 ♪♪♪~


 充電台に置いてある携帯電話が、着信を告げ始めた。


 嫌な予感。


 充電台のあるところへと電話を取りに行き、ディスプレイに表示された発信者をチェック。


 やはり佑典ではなく・・・登録外の番号。


 「・・・もしもし」


 「やあ。お疲れ様。理恵ちゃん」


 「・・・」


 予感的中。


 さっき和仁さんに番号を知られたので、覚悟はしていた。


 「先程は送っていただき、ありがとうございました」


 素っ気ない口調で、一応お礼はしておいた。


 「どういたしまして。遠慮しないで自宅前まで乗っていけばよかったのに。架空の自転車で理由付けなんてしないで」


 バレバレだったようだ。


 「それはそうと・・・。今日はほんと驚いたよ。まさか自分の家で、三年ぶりの再会劇とはね」


 和仁さんは語り始めた。
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