誘惑~初めての男は彼氏の父~
「それで大学生になった今も、佑典のお父さんのこと知ってる人は誰もいなかったのね」
思えば出会ってからずっと、付き合い始めてからも佑典は家族の話はあまりしたがらなかった。
父親の職業についても、「自営業」とだけ・・・。
仲間を家に招くことも、「遠いし不便だから」との理由でずっと避けていた。
今回私が留守中に招かれて、たまたま遭遇したことにより・・・事実が発覚した。
「水無月というのは芸名、いやペンネームって言うのもおかしいけど、お父さんの本名は中田和仁さんっておっしゃるのね」
「そう。昔知り合いに同姓同名の人がいたから、写真家として活動する時は名字を水無月にしたらしい。単に六月(旧暦では水無月)生まれだからって由来だけど」
「なるほど。これまで佑典がお父さんの話題、何となく避けてるような印象だったから・・・。親子仲悪いのかって推測していたよ」
私は冗談のつもりでそう告げたのだけど、
「あながち間違いじゃないよ。俺はあの人の生き方が理解できない」
佑典は冷たく言い放った。
思えば出会ってからずっと、付き合い始めてからも佑典は家族の話はあまりしたがらなかった。
父親の職業についても、「自営業」とだけ・・・。
仲間を家に招くことも、「遠いし不便だから」との理由でずっと避けていた。
今回私が留守中に招かれて、たまたま遭遇したことにより・・・事実が発覚した。
「水無月というのは芸名、いやペンネームって言うのもおかしいけど、お父さんの本名は中田和仁さんっておっしゃるのね」
「そう。昔知り合いに同姓同名の人がいたから、写真家として活動する時は名字を水無月にしたらしい。単に六月(旧暦では水無月)生まれだからって由来だけど」
「なるほど。これまで佑典がお父さんの話題、何となく避けてるような印象だったから・・・。親子仲悪いのかって推測していたよ」
私は冗談のつもりでそう告げたのだけど、
「あながち間違いじゃないよ。俺はあの人の生き方が理解できない」
佑典は冷たく言い放った。