誘惑～初めての男は彼氏の父～
　｢よくも平気でそんなこと言えますね。三年前、出会ってすぐに私と･･･｣


　｢気になって、このまま別れるのは惜しいと思った相手を抱いて何が悪い｣


　｢･･･｣


　｢･･･あの後僕も、かなり君を探したんだよ。でも見つからなかった。直後にもう一度、出張であのコンビニを訪れる機会があったから、何気なく他の店員に君のことを尋ねてみたら、辞めたって｣


　｢それは受験のためで･･･｣


　嘘だ。


　本当は和仁さんにもう会うことがないようにとの思いがあって。


　｢あのまま離れてしまうのは耐え切れなくて、興信所に君の捜査をお願いしようかとまで思い詰めたんだよ｣


　｢え･･･｣


　｢でもあまりにしつこく追い求めて、ストーカー扱いされたりしたら逆効果だから、断念したんだ。それに･･･逆ギレされて淫行で訴えられでもしたら、人生終わりだったし｣


　･･･あの時私は17歳。


　たとえそれがどんなに純愛だったとしても･･･法律的に和仁さんは罰せられる行為だった。
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