誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「そういうのって、よくないと思います。佑典くんの留守中に・・・」


 「別にやましいことは考えていないんだし、気に病む必要はない。そうだ、僕は絶対君に指一本触れないと、誓ってもいいよ」


 「そんな」


 「もしかして、信用できない?」


 「いえ、そういう意味では」


 「もう一度約束するよ。僕からは絶対に、君に手を出したりしない」


 「・・・本当に約束できますか?」


 「さっきから言ってるじゃないか。僕はそんな見境ない男じゃない」


 「・・・」


 今後のためにも話し合いは必要と考えていたのもあり、押し切られる形で私は二人きりで会うことを了承した。


 ただし人目もあるし、おかしなことになってはまずいので、会うのは金曜日の午後五時、まだ明るいうちにした。


 本当はランチタイムにしたかったのだけど、大学のゼミがあるので無理。


 翌日の昼間もバイトの都合で・・・。


 会う場所も、人通りの多い平凡なファミリーレストランに設定。


 絶対に変なムードにならないように。
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