誘惑~初めての男は彼氏の父~
「髪、伸びたね」
風に吹かれ、乱れた髪を整えていた時、和仁さんに言われた。
「昔は肩まであるかないかだったよね」
「大学に入学した頃から、何となく伸ばし始めたんです。たまに揃えるためにカットしていますが」
今は・・・背中の真ん中よりもちょっと上くらい。
「そのくらいのほうが似合うね。昔もよかったけど」
「・・・」
どう答えていいものか迷い、何も反応できずにいた。
それからしばらくの間、私が高校を卒業し、合格した今の大学に進んだまでの話などを途切れ途切れに繰り返した。
「さっきの話に戻るけど。少し前に佑典が、女物のグッズを買ってきたから、誰に渡すのか何気なく聞いたんだ。そしたら初めてできた彼女にプレゼントするって答えて」
「そうだったんですか」
「あの通りシャイな奴だから、質問攻めにしても君の名前しか教えてくれなくてね。家に招待して親に紹介するとかもなかったし」
結果的にそれが原因で、私たちの再会の日はなかなか訪れなかった。
「だから・・・。あの日不意に君に再会した時は、心臓が止まりそうなほど驚いたよ。まさか親子で同じ相手を・・・なんて」
風に吹かれ、乱れた髪を整えていた時、和仁さんに言われた。
「昔は肩まであるかないかだったよね」
「大学に入学した頃から、何となく伸ばし始めたんです。たまに揃えるためにカットしていますが」
今は・・・背中の真ん中よりもちょっと上くらい。
「そのくらいのほうが似合うね。昔もよかったけど」
「・・・」
どう答えていいものか迷い、何も反応できずにいた。
それからしばらくの間、私が高校を卒業し、合格した今の大学に進んだまでの話などを途切れ途切れに繰り返した。
「さっきの話に戻るけど。少し前に佑典が、女物のグッズを買ってきたから、誰に渡すのか何気なく聞いたんだ。そしたら初めてできた彼女にプレゼントするって答えて」
「そうだったんですか」
「あの通りシャイな奴だから、質問攻めにしても君の名前しか教えてくれなくてね。家に招待して親に紹介するとかもなかったし」
結果的にそれが原因で、私たちの再会の日はなかなか訪れなかった。
「だから・・・。あの日不意に君に再会した時は、心臓が止まりそうなほど驚いたよ。まさか親子で同じ相手を・・・なんて」