俺様ヤンキー君と秘密の関係
「はぁ」
目の前で言い合う2人を見ていると、後ろから小さなため息が聞こえた。
「ったく、お前らは毎日毎日……」
ブツブツ呟く声まで聞こえたかと思うと、その人はわたしの横を通り過ぎて二人の間に割って入った。
襟足の伸びた明るめのブラウンの髪。
腰で履いただらしないズボン。
背が高くて
がっしりした広い背中。
人を寄せ付けないようなオーラを纏っているけど、人目を惹きつけるカリスマ性のようなものを感じる。
後ろ姿だけだけど、すごくカッコ良い。
「いい加減にしろ!」
「うっせえ。俺は悪くねぇ。こいつがわりぃんだ」
引き離しても尚、金髪君はレオという人に食ってかかろうとする。
だけどレオ君は涼し気な態度で、気にしている素振りはない。
仲裁に入られて冷静さを取り戻したようだ。
「お互い様だろ。毎日いい加減にしやがれ」
「俺はこいつが嫌いなんだよ!」
敵意剥き出しで感情のコントロールが出来ない金髪君は、本当にレオ君のことが嫌いなんだろう。
仲裁に入った彼に、必死になって言い返している。