俺様ヤンキー君と秘密の関係
いつものようにレオとライの家に来た俺は、溜まり場であるプレハブの引き戸を開けて中に入った。
ワイワイ、ガヤガヤと変わらずにうるさいそこ。
テスト前だという危機感は、俺らの中では誰も持っていない。
廊下の奥にあるドアを開けると、いつもの顔ぶれが揃っていた。
「今日は遅かったな」
レオが意味深にニヤリと笑ってからかう声も、今の俺にはどうでも良かった。
「さっき、コンビニの駐車場で隣町の族を見た」
部屋の隅っこで、タブレットを操作するシュウに言い放つ。
すると、シュウはすぐに顔を上げた。
周りに居た奴らにもそれが聞こえたのか、騒ぐのをやめて俺に注目する。
「見たって、誰を?」