俺様ヤンキー君と秘密の関係
やっぱり……なにも言ってくれないよね。
赤点は免れたけど、どの教科も平均点行くか行かないかだったし。
ねぇ、お母さん……。
その背中に、今まで一体どれくらいの言葉を呑み込んで来ただろう。
言いたくても言えなくて、認めてもらえないっていう現実が辛くて仕方なかった。
……お母さん!
だけどやっぱり、声をかけられない。
唇を噛み締めて俯く。
やっぱりわたしは、強くなんてなれないよね。
思ったことを言える勇気が欲しいよ。
強く、なりたいよ……。
「あ、そうそう」
お母さんの声が聞こえて顔を上げた。