俺様ヤンキー君と秘密の関係
「お前、なんでここに……?」
ーードキッ
奥のソファーに座っていた一条君と目が合った瞬間、鼓動が大きく飛び跳ねた。
一条君は、目を見開いて固まっている。
そりゃそうだ。
こんなところにわたしが来るなんて、想像してなかったはずだもん。
状況をうまく説明出来なかったわたしの代わりに、ライ君がいきさつを説明してくれた。
その場の空気が、みるみる内に真剣なものに変わって。
だけど一条君の周りだけは、怒りを抑え切れないといったような、なんともいえない雰囲気が漂っていた。
「で、何かされたのか?」
一条君にまっすぐ見つめられ、軽く俯く。
真剣なその瞳に、ウソをつく度胸なんてわたしにはなかった。
ううん、すぐに見抜かれそうな気がしたんだ。
「あ……えっと、車に乗せられそうになっただけだよ……!でも、逃げて来たし。大丈夫……!」
心配させまいと、ムリに笑顔を浮かべた。
だって、こうして無事だったわけだし。