俺様ヤンキー君と秘密の関係
やっぱりわたしは、一条君に嫌われてるんだね。
あの日、迷惑をかけちゃったもんね。
「高梨さん、いつもカバンに付けてたぬいぐるみはどこにやったの?」
「えっ?」
不穏な空気を読み取ったのか、設楽君が何事もなかったようにわたしに言った。
一条君の背中を見つめていたわたしは、視線を設楽君に向けて笑顔を見せた。
「あ、なくしちゃって!」
そう、モケちゃんはいつの間にかカバンからいなくなってたんだ。
「昨日ゲーセンで取ったんだけど、あげようか?」
設楽君の手には、わたしが持っていたモケちゃんに似た編みぐるみが握られていて。
「えっ?あ……」
どうしよう……。
せっかくくれるって言ってるのに、受け取らないのは失礼だよね。