俺様ヤンキー君と秘密の関係
一条君は教室の中をぐるりと見回して、トゲのある言葉を放った。
「い、一条君は……高梨さんと付き合ってるの?」
近くにいた派手なグループの女子の1人が、笑顔を引きつらせながらそう問いかける。
「テメーに関係ねーだろ」
そんな女子をギロリと睨み付ける一条君。
氷のような冷たい瞳に怯んだのか、その女子は一瞬にして言葉を失っていた。
「こいつは強いから踏んだって大丈夫なんだろ?行方不明になったぐらいで、心動かされてんじゃねーよ」
えっ……!?
一条君はわたしの手にモケちゃんを握らせると、注目されていることが嫌になったのか、教室から出て行ってしまった。