俺様ヤンキー君と秘密の関係
「あ、あのっ。よろしくお願いします」
なんとか立ち上がって深々と頭を下げた。
背が高いから迫力があって萎縮してしまう。
一条君に向かって、よくそんな大それたことが言えたもんだ。
今さらながら恐怖を感じる。
「良かったね。こう見えて奏多は教えるの得意だから」
誰もが面白おかしく見つめる中、レオ君だけはこんなわたしに優しい笑顔を向けてくれた。
うーっ。
なんていい人……。
こうしてわたしは、留年というピンチを乗り越えるために、放課後に旧校舎に通うことになったのです。