俺様ヤンキー君と秘密の関係
「えっ?何が?大丈夫だよ?」
何を心配しているのかがわからなくて、キョトンとする。
「一条って……あの一条奏多でしょ?あんた、騙されてんじゃない?勉強教える変わりに、お金払えとか言われたらどうすんの?断った方がいいよ!勉強ならあたしが教えるから」
「さすがにそれはないと思うけど」
わたしがそう言っても、ゆらちゃんは何か裏があると言って聞かなかった。
あの時の一条君の表情と言動が気になったのは確かだけど、悪意は感じなかったから大丈夫なはず。
「いいこと思い付いたって言うから何かと思えば……!無謀過ぎるのよ、一条に勉強を教わろうだなんて」
心配を通り越して呆れたような声を出すゆらちゃんは、そう言ってから大きくため息を吐いた。
「大丈夫だよ。わたしみたいなバカに教えてくれるって言うんだよ?そこまで悪い人じゃないって」
「なんでそんな呑気なのよ。一条にどんな噂があるかは知ってるでしょ?」