俺様ヤンキー君と秘密の関係
それでもゆらちゃんはどんどんヒートアップしていく。
よっぽどわたしのことが心配らしい。
一条君の噂は色々ある。
とにかく喧嘩っ早くて、中学の頃は毎日殴り合いの喧嘩をしてたとか。
誰かれ構わず絡んで、圧倒的な強さを見せ付けては自慢していた、なんて噂も聞いたことがある。
喧嘩には負けたことがない無敗の王者で、この辺や隣町にまで一条君の名は知れ渡っているとかいないとか。
まぁ、どれも信憑性に欠けるんだけど。
「知ってるけど、留年を免れるにはそれしかないと思って……。それに噂は噂じゃん?本当かどうかわからないし」
「もー!琉羽のバカ!大バカ!やっぱりあたしも着いて行くべきだった。今のあたしの後悔はそれだけよ!」
「ありがとね、そこまで心配してくれて」
まるで自分のことのようにそう言ってくれるゆらちゃんに、えへへっと笑って見せる。
「笑ってる場合か!あんたは本当にもう……っ!留年どころの騒ぎじゃないわよ。それ以上の問題よ、これは」
はぁとまた大きくため息を吐くゆらちゃん。