俺様ヤンキー君と秘密の関係
怖いけどね。
ヤンキーだし、不良だし?
「そこ座れ」
「は、はいっ」
顎でクイッと指されたところに素直に座る。
だけど落ち着かなくてソワソワ。
だってこの教室だけ至って普通の教室なんだもん。
机がひっくり返ったり、ガラスが割れたりしてなくて、黒板や壁にスプレーの落書きもない。
そう
至って普通の教室。
だからこそ、なんだか落ち着かない。
「全教科の答案持って来たか?」
ガタッと音を立てながら椅子を引いて、一条君がわたしの向かい側に座った。
わわ、なんだか近い……。
キメ細かい肌に血色のいい唇。
妖艶な瞳。
近くで見てもやっぱり見惚れてしまう。
釘付けになって
目が、離せない。