俺様ヤンキー君と秘密の関係
「関係ねぇだろ、お前には」
そんなレオの腕を振り払い、さらにまたキッと睨み付ける。
「いや、あるね。喧嘩しなくなったせいで、体がなまって仕方ないし」
「知るか。なら運動でもしとけ」
そう言った後、ゴロンとソファーに寝そべった。
プレハブのくせに床暖房が付いてるところなんかは金持ちのレオの親らしい。
あ、ライの親でもあるけど。
レオとライは、いわゆる双子ってやつだ。
険悪な仲になったのも、レオの女関係がゆるいところにあった。
小学生の頃、ライと付き合ってた女子がレオに心変わりをしたことがきっかけ。
それからライは、極度の女嫌いになった。
そんな些細なことで、長年歪み合えることの方が俺にはビックリだ。
「んなことより……。最近、隣町の族がこの町をウロウロしてるって噂だから、気を付けろよ」
急にマジメな顔になり、シュウが静かに言った。
隣町の族、ね。
派手な見た目と喧嘩っ早かったせいで、俺の名前は、どうやら隣町にまで知れ渡っているらしい。
そして、なぜか目を付けられている。
「関係ねーよ。絡んで来たら、やり返すまでだ」