小野部長
ビール
「いやぁ、今日はわざわざすいませんでした。」
ふくふくと小太りな中年男性、取引先の太田部長がニコニコと挨拶してくる。
「いえいえこちらこそ、お招きいただき、ありがとうございます。」
今日は、取引先からの昼食の接待で、小野部長と高峰は料亭ではないが、それなりの店に招待されていたのだ。
全員が着席し、あいさつの後、太田部長が小野部長に話しかける。
「御社はいかがですか?最近。」
「え?ビールですか?」
お茶を飲もうとしていた高峰は、獅子おどしのように勢いよく頭を上げ、隣の小野部長を見る。
――言ってない。言ってないぞ!誰もビールなんて!!
「ぶち‥」
「っ気付かなくて申し訳ございません!小野部長、ビール、お飲みになりますか?」
「え?いやぁ、どうしようかな、仕事中だし。ねえ、高峰君?」
目をキラキラさせ、飲む気満々の部長を前にして、高峰は飲まない、と言えなかった。
「‥はぁ。」
「そう?そうだよね、せっかくだもんね。
小野部長、僕ら、ビールをお願いします。」
結局、社則により仕事中にアルコール摂取が禁止されている取引先の2人を前に、昼からビールを飲む部長と高峰であった。
ふくふくと小太りな中年男性、取引先の太田部長がニコニコと挨拶してくる。
「いえいえこちらこそ、お招きいただき、ありがとうございます。」
今日は、取引先からの昼食の接待で、小野部長と高峰は料亭ではないが、それなりの店に招待されていたのだ。
全員が着席し、あいさつの後、太田部長が小野部長に話しかける。
「御社はいかがですか?最近。」
「え?ビールですか?」
お茶を飲もうとしていた高峰は、獅子おどしのように勢いよく頭を上げ、隣の小野部長を見る。
――言ってない。言ってないぞ!誰もビールなんて!!
「ぶち‥」
「っ気付かなくて申し訳ございません!小野部長、ビール、お飲みになりますか?」
「え?いやぁ、どうしようかな、仕事中だし。ねえ、高峰君?」
目をキラキラさせ、飲む気満々の部長を前にして、高峰は飲まない、と言えなかった。
「‥はぁ。」
「そう?そうだよね、せっかくだもんね。
小野部長、僕ら、ビールをお願いします。」
結局、社則により仕事中にアルコール摂取が禁止されている取引先の2人を前に、昼からビールを飲む部長と高峰であった。