狼のKiss.
夏休みが終わりに近づき、のこり1週間。
音羽は今年も、友達と遊んだり、宿題をしたり・・・・・。
自分の時間を有意義に過ごしているはずだった。
でも今年は・・・・。
音羽の後ろにアイツがいる。
後ろから抱きしめて、音羽が逃げ出さないよう、
がっしりと捕まえてる、
狼がいた。
「~・・・・海クン、離してくれないかな・・・・。」
クーラーがきいてるとはいえ、
後ろから抱きしめられた状態では、
暑いどころか、落ち着いて宿題に取り組むことすらできない。
ただでさえ頭わるいのに・・・・、
と泣きたくなる。
私をだきしめている、海クンは、
頭もいいし、
常にトップ10に入っているという実力。
「ヤダ。音羽が教えて、って言ったんじゃん?」
そして、私と反対の、超ドSだ。
しかもエロい。
私はそんな海クンに振り回されてばっかだ・・・。
今だって、
海くんが何をたくらんでいるのかさえ分からない。
海くんがエッチなことがらみ以外で、
素直に返事をするのは
何かたくらみがあるから・・・・・・。
そう、知ってたはずなのに、
また海クン、
狼がしかけた罠にはまってしまう。
そんな、
私と海クンが出会ったのは、
私がこの学校に転校、門の前でぼぉ・・・っとしてた
夕方だった・・・・・・・・・・・・。