JOKER
自分が居候だということも忘れ、そんなことを思う。


「心羽。塾の時間だろ。母さんが、探してる」


柊の言葉に、心羽の顔色が、、、


ほんの一瞬だけ、暗くなった。


それに、柊は気付いて居ない。


「今、ママの所に行こうと思ってたの!」


そう、無理に明るい声で言う心羽が、どれだけ無理をしているのか、、、


なぜか、痛いほど、、、


伝わって来て、胸が苦しくなった。


そんな心羽のことをゆっくりと、柊は下ろす。


「じゃあ、、、また、ね?お姉ちゃん」


心羽は、あたしにSOSを出して居る。


だけど、、、


そのSOSに、あたしはどう答えて良いか、わからない。


だから、あたしはそんな心羽に返事を返すことが出来なかった。

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