JOKER
柊の言葉を最後に、あたし達の間には何とも言えない空気が流れる。


そこへ、、、


「あれ、柊じゃん」


そう言いながら、奈美が部屋の中へと入ってくる。


「何?柊も、この子と知り合いなの?」

「奈美には、関係ねぇよ」


奈美の質問に、柊は素っ気無く答える。


「ホント、この家の人間はみんな秘密主義なんだから」


そう言う、奈美はどこか諦めたような表情をする。


「あ、これ」


奈美はそう言い、あたしに手にしていた物を差し出す。


「痛み止め」


中々受け取らないあたしに、奈美は言葉を続けた。


、、、痛み止め?


あぁ、そっか。


奈美はあたしのことを治療してくれた、柳田組の専属の医者だった。

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