JOKER
でも、もし、、、


奈美の言うように、あたしの心の糸が切れたら、、、


あたしは、どうなってしまうのかな?


それを知ることさえ、とても怖い。


「じゃ、また後で来るから。今日はゆっくり休みなさい」


部屋を出て行こうとした奈美が、そんな言葉をあたしに向けた。


それに、あたしは返事を返すこともせずに、、、


奈美から背を向け、布団の中へと潜り込んだ。


そして、何もかもをシャットダウンするように、、、


キツク、瞳を閉じた。


別に、眠いわけじゃない。


ただ、奈美の言葉や表情をリセットしたくなったんだ。


いつも、そう、、、


人の優しさに触れ、自分の気持ちが揺らぎそうになった時には、こうやって、、、


全てを、消すんだ。


あたしの記憶の中に、復讐心だけを、、、残すために。

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