JOKER
あたしは柊の言葉に、目を見開く。


「いらねぇんだろ?」


確かに、、、


死んでも良いと思った。


だけど、どうして柊にあたしの命をあげなきゃいけないのか、わからない。


そして欲しがる柊の気持ちも、わからない。


「何、バカなこと、、、」

「バカなことをしようとした奴には、言われたくねぇ」


だから、柊には関係ないじゃん。


関係ないんだから、あたしに関わらないで欲しい。


「来い。銀司にお前のことを連れてくるように、言われてんだ。そんなお前のことを連れて行かなかったら、俺が殺される」


なんて、意味のわからないことを口にし、あたしの手を引く。


手を通じて伝わってくる、柊の体温が、、、


なんだか、とても心地よかった。

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