JOKER
今すぐ、この手を振りほどきたいのに、、、


この温もりを手離したくないと思ってしまう自分が居て、、、


そして、この手を離してしまったら、、、


あたしに手を差し伸べてくれる人は居ないじゃないかと、脅えている自分もいる。


そんな、矛盾だらけな自分に、、、なぜか、ホッとしていた。


そして柊に手を引かれながら、あたしは柊の家へと向った。


柳田の屋敷に着き、案内された部屋は朝居た部屋で、、、


その部屋の中に、奈美が腕を組んで待っていた。


「遅い」


そして、部屋の中に入ったあたし達にそんな言葉を向ける。


「コイツが、素直に言うことを聞かなかったからだ」

「ふ~ん。手なんか繋いで言われても、説得力ないんだけど」


なんて、奈美は意味有り気な視線を向けてくる。

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