JOKER
彼にこんな風に口答えをするような女は、きっと今まで居なかっただろう。


だけど、それがあたしの策。


そこら辺にいるような女じゃ、あなたのその瞳に残らないでしょ?


彼は、フッと鼻で笑う。


「変な女」

「あなたに気に入られる必要はない」


あたしはライターを返してもらおうと思い、手を差し出す。


彼は、あたしの手にライターを置く。


__グイッ__


ライターを返した手で、あたしの手首を引いた。


彼とあたしの距離が縮まる。


今にも、お互いの鼻先がぶつかりそうな距離。


「なぁ、俺の女にしてやろうか?」


ニヤリと笑みを溢し、彼は言う。


意外と、気分屋ってわけ?

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