JOKER
てか、、、


「心羽がそんな扱い受けてるのを知って、黙ってたの」

「、、、あぁ」


柊は、俯く。


「俺はこの家の人間じゃねぇ。そんな俺が口出して、この家を追い出されたら、俺は行く場所がねぇ。施設に戻れば、大人たちは同情の目で見てくる。そんな日々に戻るのは真っ平だ」


だから、心羽のことを見て見ぬフリをした。


それは、許されることじゃない。


そう言う人も、いるかもしれない。


だけど、それは偽善者が言う言葉。


そんな目にあった人間じゃなきゃ、わからないこと、、、


「いつから?施設に居たの」

「さぁな。物心ついた頃には、施設に居た」


柊は、煙草に手を伸ばしながら言う。

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