JOKER

「そんな顔、、、すんな」


＿＿グイッ＿＿


柊はあたしの顔を自分の胸に押し付ける。


そんな顔って、あたしは今どんな顔をしていたのだろうか？


柊の胸板から伝わってくる体温に、ホッとする。


ほら、、、


そこに何の感情がなくても、ただ温もりに触れるだけで、こんなにも心が満たされる。


それはやっぱり、温もりを知ってしまったからで、、、


ホント、余計なものを身につけてしまった。


そこに愛とか、そんな気持ちがなくても、、、


温もりがあるだけで、人は簡単に錯覚してしまうんだ。


そしてその温もりを、求めて続けてしまう。


その後、自分では突き放せないほど、弱い人間になる。