JOKER
心を凍らせ、感情も捨てたはずだった。


なのに、同じ人間に思えた。


彼らが、同じ人間だと思って、、、


いつの間にか、あたしも心を開き始めていた。


それは、薄々気づいてはいた。


だけど、無理やり見ないようにしていた。


気づかない、フリをしていた。


見て見ぬ、フリをしていた。


あたしは、柊に抱き締められたまま、、、


グッと、唇を噛み閉める。


どうして今、そんなことを思い出すのだろう。


それも全部、柊のせいだ。


コイツが、あたしのことを抱き締めたりするから、、、


だから、あたしの心をこんなにも乱れてるんだ。


振りほどけ、、、


じゃないと、あたしは柊に流されてしまう。

< 222 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop