JOKER
「上等」


ニヤリと、彼は何かを企んでいるような笑みを溢した。


そして、強引にあたしの顎を持ち上げる。


__チュッ__


そして、あたしにキスを落とした。


「目ぐらい、閉じろよ」

「閉じて欲しかったら、満足させるようなキスでもしてみたら」


あたしは、挑発するように言う。


でも、彼はそんなあたしの挑発に乗ることはなかった。


「名前」


あたしから手を離し、彼が聞く。


「羽衣。あなたは」


彼の名前を知っていながら、あたしは彼に尋ねる。


「柊(しゅう)」


柳田、柊。


それが彼の名前だ。


そして、銀司のことを従える、柳田組の跡取り。

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