JOKER
「はぁ~」


柳田組の頭は、大きなため息を吐く。


「全員、この部屋から出てけ。このお嬢ちゃんの処分は、これから2人で話して、私が決める」


誰にも有無を言わせないような、口調で言う。


「親父!!」


そんな柳田組の頭に向って行ったのは、柊だった。


「お前には、関係ない話だ。まだガキのお前が、私の決定に口を出すことはさせない」


怒鳴りつけたわけじゃない。


それなのに龍王のトップに立つ柊のことさえも、押さえつける。


それはこの世界で長年生きてきた、この人だからこそ、、、


持っている、モノなのだろう。


「わかったら、柊。お前も部屋を出て行け。」


それにチッと、舌打ちを溢し、あたしのことを心配そうに見つめてくる。


そんな顔で、見ないで、、、


あたしはそんな柊から、視線を逸らすために俯く。

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