JOKER
不安気に瞳を揺らし、あたしのことを見ている心羽。


そんな心羽に、あたしは無理に作り笑顔を見せる。


いろんな想いたちが込み上げ、あたしの視界を邪魔する。


歪んでくる視界に、グッと下唇をかみ締める。


そしてゆっくりと、手にしたいた拳銃を、、、


上へ、上へと移動させる。


__カチッ__


自分のこめかみに、あたしは拳銃を突きつけた。


「羽衣ッ!!」


銀司は驚いたように、あたしの仮の名を呼ぶ。


「あたしはもう、、、生きてる意味も、ないんだよ」


生きていた、意味さえ失った。


アイツへの復讐は、あたしの人生そのものだったんだ。


それが、、、出来なくなった、今。

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