JOKER
あたしは力が入らない体で、拳を握り締める。


、、、許さない。


絶対に、許さない。


その時、あたしの中で何かが切れた瞬間だった。


グッと下唇をかみ締め、高城の後姿をキツク、睨んだ。


「大丈夫、か?」


銀司はあたしに尋ねる。


どう見たら、今のあたしが大丈夫そうに見えるのか?聞いてみたいくらいだ。


「お、くって」


銀司はそんなあたしに何も言わず、あたしのことを抱え上げ、外に止めてある車に乗せた。


そして、銀司は車を走らせた。


数十分走った後、車は静かに停まる。


銀司は、後部座席で蹲って横になっているあたしのことを抱え上げた。


「医者に見てもらう」


そして、銀司はそんな言葉を溢し、歩き出す。

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