JOKER
「ごめん、今の話、、、忘れて?」


あたしは心羽のことを抱き締めながら、言う。


「どうして?」


心羽は、不思議そうに尋ねる。


「心羽には、、、心が死んだ人間に、なって欲しくない」


あたしみたいな人間に、なって欲しくないんだ。


「それと、、、もう、あたしの所には来ないで」


これ以上、あたしは心羽と一緒に居たらいけない。


だって、、、


あたしの心の闇が、この子の、、、


心羽のことも、飲み込もうとしている。


こんな、小さな子まで、、、


心羽には、まだ見えない、明るい未来がある。


あたしみたいに、真っ暗で落ちて行く未来じゃない。

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